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 君は、表情の一部をどこかに置いてきてしまった人なんだ。
 だから僕は君の代わりにたくさんたくさん笑うんだよ。たくさんたくさん泣くんだよ。


 ――君の涙をいつ知ったのか――


 遠い昔と言ってもほんの十五年前だけど、君はこの世に生まれたんだ。
 そういえばさ、当たり前なんだけど、世界の中心で愛をさけぶを見て考えたことなんだけど、僕は君のいない世界をまだ見たことがないからもしも君がこの世から消えてしまったらサクのように空っぽな気持ちになってしまうのだろうか。それとも君を追って消えようとするのだろうか。あるいは君のいない世界で君が見ることのできなかった世界を見るのだろうか。
 それはその時になってみないと分からないことだけど、僕は君が最も望む道を選びたいな。もっとも、君は僕のそんな問いかけに答えてはくれないんだろうけれど。だから僕はきっと選んだ道におそるおそるしか進むことができないんだ。
 君は優しい人だから僕に好きな道を選ばせてくれるけれど、僕はもっと君に縛られていたい。がらんじめにされていたい。
 こんな気持ちを君は分かってくれないよね。
 正直君の与えてくれる自由がほんの少し息苦しいんだ。おかしいよね、自由が息苦しいなんてさ。
 ただの優柔不断って言えるのかもしれないけれど、君は僕をそれほどまでに支配しているんだ。
 僕が好きなものが何か知ってる?青い空、試合前のまだ誰もいないコート、それから君の手。
 君は自分のことを何も言わないけれど、手だけは正直なんだ。君が今何を欲しているのか、君が今何を考えているのか、そんなものが分かるんだよ。そう、君がキスするときよりもずっと分かりやすいんだ。願わくは、このことを知っているのは自分だけであると言うこと!

 何も言わずに指を絡めてくるその行為。かさつく君の手を感じて、指を絡め返す。さあ、君の思い通りになってあげるよ!


 大ブームを引き起こした、いわゆる「セカチュー」。
 私は嫌いだったのですが、でもやっぱり、人の心に残る一文を書くことが出きる人っていうのはすごいと思う。
 それが、この本文に書いたんだけど、「アキのいない世界を見たことがない」ってところ。
 すごくすごく、印象に残っている。
 今回の文章は、最初は簡単に出てきたんだけど、後半がいつも通り難産でした。
 どうしても、神尾の一人称が「ぼく」になってしまうので、必死で堪えました。耐えたよほんと。
 神尾は可愛いから、誰からも愛される子だと思う。
 跡部は、神尾が可愛くて仕方ないんだと思う。
 近くて遠くてでもやっぱり近いけど遠いみたいな関係が物足りなくて寂しくて不満だけど結果だけを見ればちょうど良いんだと思う。


2005/01/15...MIKO