るんるん


 なんていうか、外は風が冷たいくせに太陽がジリジリしてて、あえて例えるならば北極か南極で鉄板焼きをしてるとしたら、そのとうもろこしみたいな感じだった。
 あーあ。訳わかんないや。
 ぐーんって、大きく伸びをして、扉の向こうに広がる屋上の開放感に嬉しくなって笑った。



「ねーえ、亜久津君」
 いるんでしょ、と裏に回ったら案の定いた。
 ヤッホーって手を振ったら、もんのすごくウザそうな顔をされた。
 あっくんのそーゆうとこ、なんか好きだなって思う。
「何しに来た」
「暇つぶしに」
 隣に座ったら、あっくんはちらりと俺のほうに視線を向けて、またさっきと同じように空を眺めた。
「何見てんの?」
「別に」
 そんな態度につれないなァなんて思いつつも、あっくんらしいやって思った。



「で、何しに来た」
「んー?」

 ああ、空はなんて青いんだろう。

「なんとなく」
「消えろ」

 …………。



 あっくんは、見た目は不良だけど、凄く心がきれいな人だ。
 あっくんは、口はものすごく悪いけど、人の心を見ぬくのがとてもうまい。
 わ、これ別に差別的に言ったんじゃないからね!



「俺たまに、あっくん見てたら変な気持ちになるよ」
「どーゆう意味だコラ」
「うーん、俺にもわかんないんだけどね」



     あえて言うならば、



「俺、あっくんかっこいいから恋しちゃったよ」
「死ね」



          恋と言うものなのかもしれない。



「うわ、あっくんソレ、最悪にひどいよ。俺本気なのにさーあ」
「……本気ならなおさら死ね」

「なーんで、そーゆーこと、言うかな?」
「……俺のほうが聞きたい」
「好きだからじゃん!」
「女で我慢しとけ」
「やだよ。女って、結構うっとうしいじゃん」
「しらねーよ」
「やだなー知ってるくせに」

「お前、幼馴染の女がいんだろ?」
「ああ…千秋?」
「ああ、そいつ」
「千秋は駄目だよ」
「―――?」

「もーやだなー、あっくんカワイー」






「俺はね、あっくんがいいの」

「あっくんと色々したいの」

「…………千秋はね、大事な子だから、俺なんかが触れちゃ駄目なの」






 やつの言葉は本気で、正直怖くなって、鳥肌が立った。
 千石と言う人間が、またわからなくなった。
 そして、千石と言う人間が、可哀相だと思った。




 これを公開したのは2002/09/26。
 二年前のことですが、「ゴクアク」というカップリングへの愛がにじみ出ているような気がします。(正直、今これは書けないと思う。愛と若さというのは素晴らしきものなのであります)
 ラストが、亜久津らしくなくてそこが、書いた時から引っかかっていたのですが、ええと、今も若干引っかかっています。てゆうか、千秋って誰だよ!(千石の幼なじみ設定ですけどねぇ……)
 なんていうか、キヨの設定っていうのは、オレンジ色の髪の毛に現れているように、底抜けに明るいヤツなんだけど、でも、心の奥底にものすごく暗い何かを持っている……みたいな感じです。誰にも見せられない暗い過去とか。痛い思い出とか。とにかくそういうの。



 いきなり話変わりますけど、正直、毎回毎回タイトルの色を決めるのに苦労します。(何か良い方法を教えてくれませんか?)


MIKO ...2004/08/24